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すべてはこの夜に
すべてはこの夜に (CROSS NOVELS)
すべてはこの夜に (CROSS NOVELS)
英田 サキ

表題作と、そのスピンオフ作品である「夏の花」、そして表題作の後日談「春宵一刻」の3本立て。

「すべてはこの夜に」「春宵一刻」
借金地獄に苦しむ加地智充は、多額の報酬と引き換えに
見ず知らずの男を狙撃するため、あるマンションの一室を訪れる。
そこで標的として現れたのは、昔ある事件をきっかけに
袂を分かった同級生・湊彰彦。
意図せぬ再会を果たした2人の関係は、忌まわしき過去の記憶に引きずられるように
ねじれていき・・。

ミスコミュニケーションをフィジカル面で埋めようとしてすれ違っていく二人。
もどかしさや切なさを感じるには、湊の加地への執着の理由があまりに説明不足な気がしました。というか、優柔不断で気が弱く、思い込みの激しい加地の魅力がよく分からない。獣の餌食になった草食動物・・?うーむ。
そして、物語出だしの緊張感も、ゆるい監禁生活でどんどん緩んでいき、
ストーリー自体も中だるみ。まるで話を収束させるためのように、唐突に向った三浦半島で、なんとか気持ちを通じ合わせる二人。
しかし、十年間の誤解が解けて気持ちが盛り上がるシーンも、
女性の扱いが酷すぎて、ちっとも感情移入できませんでした。
短編ゆえに、この不条理な感じも味だと捉えられなくもないけれど、
読み手を選ぶ作品なのかもしれません。
書き下ろしは、後日談よりも過去話の方が私は読みたかったなぁ。


「夏の花」
教師である鈴原亮一は、ひょんなことから亡き妻の弟・武井靖之と共同生活を始める。淡々と過ぎ行く、平凡だけれども穏やかな日々。二人の孤独な心は寄り添い、やがてお互いがお互いにとってかけがいのない存在となっていく・・。

個人的に、表題作よりもこちらのお話の方が好みでした。
今はもうこの世にいない一人の女性を介してのみ繋がる他人同士が、
一つ屋根の下に暮らし、ぎこちなく心を通わせていく前半部分。
そして、お互いの過去や秘密が少しずつ明らかになっていき、
まるで堤防が決壊するように気持ちがあふれ出す後半部分。
夏の熱波に煽られるように変化していく二人の関係が、鮮やかに描かれており、
容赦なく惹き込まれる。「すべてはこの夜に」の中で、武井の口から長くは続かなかったと語られる二人の関係は、線香花火という小道具で暗示しつつも、
物語は静かにラストを迎える。儚さに美を見出す日本人の深層心理に訴えかける
なんとも余韻の残るお話。オススメです。
| BL小説 | 12:55 | comments(0) | - | pookmark |
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