この週末、ほんとは近所のジャズフェスへ行きたいなーと
思っていたのですが、
配偶者の「興味がない」のひと言で一蹴されたため、
仕方なく家で積本消化。
手っ取り早くそばにあった榎田作品を読み、
その後なぜか榎田さん祭開催中。
ギャルソンの躾け方
榎田 尤利
ウェイターじゃなくてギャルソン。
しかも躾けられちゃうギャルソンなので、
気位が高くて鼻っ柱の強い子なのよね、きっと・・んで、躾ける方は
カフェのオーナーかしらね、この表紙からして・・・なーんて、
話の筋に目星をつけて読み始めたらば、
そのまんまのお話でした(笑)。
でも、これまでいくつか読んだカフェものBLの中では、
一番好きなお話かも。
とにかく、受のギャルソンくんがネルドリップの達人というところが
コーヒー好きな管理人としてはツボでした。
だって今日日、値段の高いマシーン一台あれば
ボタンひとつで誰にだってそれなりに美味しいコーヒーは入れられるわけですよ。
なのにネルドリップ・・
しかも、実家は3代続いた珈琲屋だそうで、
それってギャルソンというよりも職人なんじゃないのかと。
そして、職人といえば古今東西、頑固で偏屈と相場が決まっているわけでして、
その職人かたぎなギャルソンを躾けてしまえるカフェオーナーっていったい・・
なわけですよ。
この攻のカフェオーナーも、大企業の後継者の地位をあっさり捨て、
趣味の世界に生きようとするところは(傍から見れば)立派な変人。
てか、お坊ちゃん育ちだからこそ、
世俗のモロモロには無関心であり、己の興味のあることにのみ
突っ走れるのかもしれないけど・・
そんな育ちの良さからくる強引さと鷹揚さが上手く
描かれているなぁと感じました。
あと、ギャルソンくんの実家の家族ネタも効いてました。
親友とか義兄弟とか、身近にいる人間に対して
必要以上に強い思いを抱きすぎて、そのことに
本人だけが気づいておらず・・・という設定にプラスして、
さらに家族愛なんかも絡められてて、
母親の日記を読む場面とか、出来すぎ〜と思いつつも、
正直、やられた〜という感じでした。
とにかく、”カフェもの”から連想される、
砂糖菓子みたいな恋愛を期待して読むと見事に裏切られます。
題名から予想される調教チックな部分も少しはあるけど、
かなりソフトですし、愛もあるので、
そっち方面が苦手な方もたぶん・・大丈夫かと。
ごめんなさいと言ってみろ
榎田 尤利
漫画家シリーズの2作目。
俺様で美丈夫な小説家x高慢な猫系少女漫画家のお話です。
出会いの場面からしてシチュエーションは最悪。
会えばいがみあってばかりで、歩み寄りなんてアリエナイ!
・・・はずだったのに、なぜかお互いが気になって仕方がなく、
気がつけば考えているのはお互いのことばかり。
まさに少女漫画の王道ともいうべき設定だけに、
その定石を榎田さんがいかにひっくり返してくださるのか・・・
という期待とともに読んだのですが、
今回はそれほどのどんでん返しは無かったかな。
榎田さん特有の言葉遊び的な楽しさは、読んでて十分感じられたけれども、
攻の家族ネタからラストで一線を越えるまでの過程は
少し強引だったかなぁという気も。
ただ、身近な人との人間関係に悩む主人公
という設定は今回も健在。
その思いは度を過ぎているのに、本人は全く気づいていなくて・・
というのは、このシリーズの定番なんでしょうか。
ちなみに、攻のハードボイルド作家は
低音の美声という設定でして、
私の中ではなぜか最初から最後まで小杉さんの声が
聴こえておりました。えぇ、まさに、久々野とはそんなキャラです(笑)。
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