ドラマCDが発売になるとのことで、まずは一作目から・・
と読み始めたのですが、つい勢いで3作とも読んでしまいました。
全寮制櫻林館学院~ゴシック~
雪代 鞠絵
1作目は、王子様x不幸体質の清らかな男の子という
少女漫画系カップル。
ストーリーもまさにそんな感じでした。
無気力な王子様である攻がなぜ受に興味を持つようになったのか、
という部分を含め、気持ちの起点となる要素が
比較的ぼんやりしているなぁという印象。
けれども、それがためにかえって
山奥の閉鎖された全寮制の学校というおとぎ話的ワールドが強調され、
全体的にほんわりと薄もやのかかった独特の世界感が
形作られているようにも見えます。
いや、嫌いじゃないですよ、こういうの。
少女漫画で育った筆者には、比較的お馴染みの世界観。
けれども、萌えるか?と言われると、
ちょっと微妙・・。おそらく、好き嫌いの別れる作品かと思われます。
全寮制櫻林館学院~ルネサンス~
雪代 鞠絵
こちらもある意味、王道。
でも、シリーズの中ではこの2作目が一番好みかも。
ちょい悪(でも頭脳明晰)な生徒会副会長x麗しく可憐(でも潔癖)な生徒会長です。
学院にはソルトラムというエリート集団があり、
そのメンバーがそれぞれ頭脳明晰、眉目秀麗、かつ個性的で魅力的。
(もちろん上記の2人もそのソルトラムのメンバー。)
乙女が10人いたら、きっと必ずひとりは好みがいるはず・・
という古式ゆかしきアイドルグループの売り出し戦術にはまるがごとく、
ついつい好みの子を選んでみたりして。
個人的に一番のお気に入りは、
メンバーの狂言回し的立ち位置な椿。
無邪気さを装い、冷静に周りを観察しつつ
肝心なところでは力になる。しかも、
手先が器用で料理上手って・・いうことなし(笑)。
生徒会長の香月は自分で抱え込んでグルグルするタイプだし、
副会長の蓮は自分のテリトリー外の人間には徹底的に残酷になりうる人だし、
そんな2人の恋愛模様はヘタをすれば周りだけでなく、
読んでいる方まで置いてきぼりになりそうなところを、
椿の存在がいい具合に緩衝材となって
ストーリーを引っ張っていたように感じました。
CDでは、この椿を宮田さんが演じられるそうで。
すご〜くハマりそうなので、今からとっても楽しみです。
全寮制櫻林館学院~ロマネスク
雪代 鞠絵
シリーズ完結編ということで、
1作目で1年生だった春実が2年生になり、
2作目で主人公だった生徒会役員達は卒業し、
今作では、1作目の春実同様、外部からの編入生で、
キャラクターも春実と微妙に被る不幸体質な男の子・千聖の物語を軸に、
前作までに出てきたキャラクター達のその後が描かれています。
実は、いたいけな少年をいたぶるお話が苦手なので、
途中、何度も投げ出しそうになりました。
けれども、耐えて耐えて・・
よほどその我慢がこたえたのか、
ラストで幸せになった主人公の姿を見て、
良かったね〜と思うどころか、相手の穂高に対して
そんなに甘々になれるんだったら、もっと早く助けてやれ!という
理不尽な怒りしか生まれてこなかったという(苦笑)。
こらえ性の無い読者ですみません。
あ、でも、わたし冒頭の志貴と志貴祖父の会話に
なぜだか萌えてしまったんですよね。
己の萌えどころがいまいちつかめない今日この頃・・・。